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2008年8月

2008年8月15日 (金)

ゴダード「還らざる日々」

還らざる日々


今読んでいる本。
ゴダードの「還らざる日々」
訳者はエチゼンさんです。

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2008年8月 2日 (土)

小説 トリスタン INDEX

小説 トリスタン INDEX--

小説 トリスタン INDEX

その1

その2

その3

その10


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小説 トリスタン その3

小説 トリスタン-

ブランゲーネは仕方なく甲板のトリスタンのところへ赴く。
クルヴェナルはいぶかる。
「トリスタン様、イゾルデ様からのお使いです。」
「なんだって!」
トリスタンはわけもなく動揺してしまう。
俺の顔はブランゲーネにももう知られている。
トリスタンは兜を目深に被りなおした。
「トリスタン様!」
「イゾルデ様のところへおいでになってほしいのです。今すぐに…!」
「今の私の任務は一刻も早く姫様をマルケ王のところにお運びすることです。
この場を離れるわけにはまいりません!」
顔を背けながらくぐもった声でつぶやく。
「なんですって?そんなの言い訳ですわ。それでははっきり申しましょう。姫様はこう申されました。
あのマルケ王の召使ふぜいに教えてやるのよ、ほんとの礼儀というものを!」
たまらずクルヴェナルが割ってはいる。
「トリスタン様、応えることはございません。私が代わりに応えましょう。
トリスタン様は音に聞こえた英雄。
アイルランドの怪物モロルトもトリスタンさまが討ち取った!
モロルトの首はさらし首!
それがアイルランドへの貢物だ!」
いっせいにときの声をあげる船上の乗組員たち。
これは当時イングランドはまだ豪族の割拠の時代で国家がなく、アイルランドの国に貢を納めていたことを皮肉っている。
ブランゲーネは真っ赤になり、その次に真っ青になり、唇を震わせながら足音も高く出て行った。
トリスタンは茫然とし、つぶやく。
「ばれてる…」


「姫様!」
「全部聞こえていたわ!あんな大声で。聞こえないわけないわ。」
わっと泣き出すイゾルデ
イゾルデはどうしても二人きりで彼の真意を聞きだしたかったのだ。
しかしこのような侮辱にあい、もうすべてのたががはずれてしまった。
「もう死ぬしかないわ。こんな屈辱には耐えられない…
ブランゲーネ、あの薬箱を持ってきて。」
「えっ?」
「母上が私に持たせてくれたあの薬よ!秘伝の薬。そう、死の薬よ!」
驚愕するブランゲーネ。「姫様いけません!」
「やけをおこしてはいけません。マルケ王はすばらしい方だと聞いています。きっと会えばお気持ちもほぐれます。どうぞもう少しのご辛抱を!」
「お前はそれでも私の召使なの?私の邪魔をするでない!早く!」
イゾルデはブランゲーネを打擲する。
ブランゲーネもイゾルデも泣いている。
ブランゲーネはいやいや薬箱を持ってくる。
イゾルデは真っ黒な薬を取り出して眺める。
「これこそが私に安息を与えてくれるもの。」
そして裏切り者には永遠の死を!」

その時の部屋の戸がノックされる。
クルヴェナルだ。
「陸が近づきましたので下船の準備をお願いします。」
イゾルデは応える。
「船を下りる気はないわ!」
「えっ?」
「トリスタンさまからの謝罪のお言葉をまだ聞いていないわ。」
「トリスタン様がここにいらっしゃらない限り、私はここから動きません!」
クルヴェナルは憤然と立ち去る。

「なんてことだ、あのわがまま姫君は…」
クルヴェナルは次第をトリスタンに伝える。
トリスタンは悟る。イゾルデの意思を悟ってしまった。
トリスタンは自分が会いに行くとクルヴェナルに告げる。

「トリスタン様です!」
クルヴェナルが叫び、トリスタンはイゾルデの居室に入っていく。
イゾルデは余裕たっぷりの笑顔で応える。
「トリスタン様。ようこそ。お越しいただけないのかと思ってましたわ。」
「あなたはタントリス。私のところで傷を直された方ですわ。それともあの方は双子の弟だとでも?」
トリスタンは平然と返す。「だったら良かったんですが…あいにくとわたくしです。」
「それではどうしてあなたさまは私にこのような仕打ちができるのですか?」
「このような仕打ち?私は礼儀を失したつもりはございませんが…」
「じゃあどうしてここに顔を見せなかったの?読んだのに来ないのは礼儀を失していないのですか?」
「それはしきたりなんです」苦しい言い訳をするトリスタン。
「よくないんです、その…、花嫁に介添え人が近づくというのは…」
「へえ~それはいったいどこのしきたりなのかしら?」
「しきたりのことなんか知ったこっちゃありません!」
ついにトリスタンも切れる。
「しきたりをよくご存知なら、「恩返し」の意味もおわかりかしら?タントリス様?」
ぐぅの音も出ないトリスタン。
「それともあなたはとんでもない礼儀知らずなのかしら?」
「命を助けてもらったのにお礼も言わず、正体も明かさず…」
「それは…あなたが…私のことはもうお忘れかと思っていたので…」
「いいなずけを殺した男を私が忘れるとでも?」
「あなたはモロルトさまを殺し、その首を許婚の私に送りつけた。そのくせ自分の傷が治らないと知ると、私のところにのこのこやってきたのよ!」
「どうして私があなたを治して差し上げたのか知りたい?」
「私はあなたを殺してもらうために治療して差し上げたの。アイルランドの屈強な兵士の誰かに。でもマルケと私の父は和平を結んでしまった!だから私は自分であなたを殺そうと思ったの!」
「ではそうなさいませ。」
トリスタンはずいと自分の剣の束を浮かしてイゾルデに差し出す。 
「…そんなにモロルトさまのことを大事に思ってらしたのでしたら今すぐ私を討って下さい。私はかまいません。」
「あの時は失敗なさいましたね。でも今度はしっかりと剣を握るんですよ。落とさないように…」
トリスタンは燃えるような眼でイゾルデの眼をのぞき込む。
「さぁ!」
気おされたイゾルデは、ついと身を引く。
「それはやめとくわ。」
「だって、困るでしょ?マルケの一番の忠臣を討ち取ったとなっては。申し開きができないわ。また戦争になるわ…。
だからこうして欲しいの。私と一緒に償いの酒を飲んで欲しいの。そしたらすべて忘れるわ。タントリスのことも。今までのことはすべて忘れるわ。あなたはそのほうがいいんでしょう?」
挑戦的にトリスタンの眼を見返すイゾルデ。
「そうですね。きっとそれが一番いいでしょう。」
トリスタンもイゾルデを見つめる。トリスタンにはわかっていた。この女はオレを殺そうとしている。それで気が済むならそうするがいい。俺の命はどうせこの女性にもらった命なのだし、いまさら惜しくはない。
「あなたが本音を言いたくないんならそれでいいんです。もう何もいいますまい。」
トリスタンの意味ありげな言い方に、自分の真意を見抜かれまいとイゾルデは嘲るように喋りだす。
「あなたはマルケ王に戻ったらこう言うの。『この女はほんとに優しい女です。許婚を殺したのに自分の不治のけがを治してくれました。そればかりか敵国に嫁ぐことに同意し、私の罪も全部償いの酒で忘れてくれたんですよ!』」
イゾルデはブランゲーネに合図する。
ブランゲーネが杯を持ってくる。
トリスタンは杯を受け取る。
(俺をあざけるがいいさ、好きなだけ。俺はもう死ぬんだから…)
トリスタンは杯につがれた液体を一気に飲み干した。その瞬間明かりがすべて消えた。真っ暗な世界に投げ出され、トリスタンは気を失った。
しばらくして光が見えた。光。それはイゾルデの方から来る光だ。暖かい光。懐かしい気持ち。
どのくらいの時間が経ったのかわからない。多分一瞬なのだろう、しかし永遠に思えた。
痺れたような酔ったような感覚が彼を包んでいる。なんで自分はここにいるんだ? なんで自分は忠義ばかりを気にかけていたんだ? どうしてあんなに好きだった人を思い切ることができたんだろう? そう僕はイゾルデが好きだった。今初めてそれがわかった。どうして人を愛する自分の気持ちを今まで否定していたんだ?
懐かしいあの場所に帰りたい。母の懐に。僕を産んで死んでしまったあの人のところに帰りたい。彼の心を憧れが満たした。

どれくらいのときが経ったのか、同じく杯をあおったイゾルデが眼をさます。
「私は死んだのね…」
でも妙に気分が高揚している。まぶしい光を感じる。
「ここは黄泉の国じゃないわ… 元の船室じゃない?」
「ばかばかしい、どうして死のうなんて思ったのかしら?」
そして自分を見つめるトリスタンの眼に気がつく。
あの人はなんて神々しい光を放っているの?まるで大天使ガブリエルだわ。
美しい。あの人を殺そうなんてどうしてそんなことを思ったのかしら?」

「僕を許して欲しい、イゾルデ!」
(空耳かしら?)
トリスタンは床にひざまずき、イゾルデのドレスの裾に恭しく口付けした。
「僕は自分の気持ちを抑えてきた。でもそんなことは意味がないことだ。僕を許して欲しい。」
「トリスタン…」
「私こそ馬鹿だったわ、こんなことってある?おかしいわ!さっきはあなたが憎くてたまらなかったのに、今はもう…、」
「今はもう?」
「愛おしいわ…」
「イゾルデ…」
「あなたとは一つの魂のように感じるわ…」
「もう何も言わないで…」
トリスタンの手がイゾルデの頬をなぜる。トリスタンがイゾルデに口付けしようとした瞬間…
ガラガラガッシャン!
ブランゲーネが馬鹿のように口を開けて突っ立っている。
「姫様!あぁ!」
「正気になってくださいませ!」
(こんなにあの薬が効くなんて…)
二人を引き剥がすブランゲーネ。二人はばったりと力なくその場に倒れこむ。二人にはもう何も聞こえないし見えないかのようだ。
船はどんどん陸地に近づき、船乗りたちの声が大きくなっていく。

「いったいここはどこなんだ?」
トリスタンはつぶやく。
イゾルデにマントを着せ掛けるブランゲーネ。
無情にも船は接岸し、ファンファーレが鳴り響く。下船の時間だ。
クルヴェナルが叫ぶ。
「トリスタン様? トリスタン様?」
岸辺にはマルケ王の差し向けた馬車が待っていた。
粛々と下船が始まる。
トリスタンは朦朧とした頭でクルヴェナルに引きずられるようにして馬車に押し込まれる。
「いったい何があったんです?あの魔女はあなたさまに何をしたんです?」
「償いの酒を飲んだのさ!クルヴェナル!!」
「ほんとに償いの酒だったんだ。おかしいだろ?僕はてっきり毒杯かと思っていたんだ!」
わけのわからないクルヴェナル。
「でもトリスタン様を狂わした杯であることは間違いないようですね。大丈夫ですか?」
「クルヴェナル、生まれてから今までこんなに幸せだったことはないんだ…」


一方もう1台の馬車の中ではブランゲーネが真相を暴露していた。
「じゃああなたが私たちに用意したのは媚薬だったのね?」
ブランゲーネは恥ずかしそうに認める。
「まあ、そういうことです。申し訳ございません。」
「なんてことなの!」
「でも違うわブランゲーネ、これは運命なの。愛の女神ヴィーナスがしたことなのよ!」
「でも…」
「もう何も言わないで。運命の歯車が回りだしたの。私は身を任せるわ。」

マルケ王の居城に到着した一行。
トリスタンは素早く馬車から下り、イゾルデをエスコートする。
自分で自分のしていることが信じられない。
この人はおじのマルケに嫁ごうとしている。
この僕の介添えで!
浮揚していた気持ちが一気に奈落の底に叩き落される。
マルケ王の謁見城で花嫁を引き渡すトリスタン。
手がぶるぶる震え、イゾルデの手を握る手には電流が走っているように熱い。
一方の花嫁は顔色が真っ青でまるで死人のようで視線が定まらない。
二人ともお互いの顔を絶対に見ない。
マルケは一目見て花嫁の美しさに満足するが、顔色があまりにも蒼白なので心配する。
「長旅ご苦労であった。イゾルデ、そしてトリスタンもゆっくり休むが良い。」
引き上げる一同。王と王妃の去った広間でトリスタンは立ち尽くしていた。
第1幕了。


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ハリーポッター死の秘宝を読了した

ハリー

ハリーポッター死の秘宝を読了した。
圧倒的でした。作者の考えていることがどんどんどんどん筆が進むにつれて複雑になっている。
読んでいるほうは追いつくのがちょっと大変。
だからもう、けっこうよく理解できない部分はそのままにして先に進む
そのぐらいの情報量。
楽しかった~
ドリトル先生以来の楽しさ。私がドリトル先生を読んだぐらいの年にこのハリーポッターシリーズに巡り合った幸せな子供たちはきっと人生が変わるに違いない。
作者は常に孤独な一人ぼっちの社会に背を向けた少年少女の味方だ。
それが何よりすばらしいこと。
とにかく感動~
ほんとにありがとう、ローリングさん。
早く映画が見たい!!!


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アメリカン

アメリカン--


アンディ、負けちゃいました~ナダルに。
きのうファーストセットをとったガスケの方がましでしたね。
でもアンディのコンストラクションは抜群。
もうミニジョコビッチというより(ジョコに勝ったんだから)ビッグ・ジョコ?

きょうもドロップショットさえ渡ってた。

それからきのうスパイダーマン3を流してたのでちら見したんですけど。
わかりましたよ~
やっぱりマッケンジー版スワンレイクがああいうエンターテイメントな感じ(つまり芸術性ゼロ)なのはアメリカだからですよね~
スパイダーマンもほ~んと笑っちゃうようなヒーローものを大真面目に楽しく作っている。

ジェームズ・フランコの演技がすばらしかったです。彼は映画でトリスタンを演じて、そのときも異様な鬼気迫る崩壊演技で、ちょっとヒース・レジャーの二の舞になるんじゃないかとマジ心配しちゃった。

そのトリスタンに出ているマルケ王役のルーファス・シーウェルがこないだトニー賞にノミネートされていた。獲れなかったけど。彼もすごい~かっこよかったのです。
This is America. それしか答がないですね。

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