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2008年1月

2008年1月 5日 (土)

トリスタン2

小説 トリスタンとイゾルデ2

トリスタンは息苦しくなって甲板に出た。
満天の星。アイルランドの方向を見やる。
「イゾルデ…」
考えただけで息苦しくなってくる。
自分はどうしてしまったんだ…
「どうしたんだ、トリスタン!」いきなりメロートの声が背後から。
「お前まさかあの妖女に惚れたんじゃないだろうな。」
「まさか。」
「じゃ、いいだろう。ちょっと考え付いたことがあるんだ。あしたコーンウォールについたらいの一番にマルケ王に謁見を申し出よう。王はお待ちかねだぞ、お前の登城をな。」
「あぁ、もちろんだとも。」

翌日。
船は無事に港に着いた。港にはクルヴェナルが待ち構えていた。クルヴェナルはトリスタンの父である先代からつかえている忠実な僕、もう老人と呼べる年齢だが、今までずっとしゃきしゃきと世話しなくトリスタンの世話を焼いてきた。それはトリスタンが18になった今も変わらない。
「トリスタン様!」
クルヴェナルはもう泣いている。
「よくぞご無事で…」
メロートとトリスタンは思わず笑ってしまう。
「だから大丈夫だと申し伝えたではないか!相変わらずの心配性だな。お前は。」

一行はさっそくマルケ王の城へ向かった。
王は50代の初め。髪に白いものが混ざり始めているが、まだまだ若々しく、その闊達な人柄で臣民を魅了する王だった。
「トリスタン!」
二人が大広間に入っていくと、王は大きな声を出した。
「ずいぶん久しぶりではないか。聞いた話では負傷した傷が悪化したということだったが。」
「ご心配には及びません。このとおりです。」
「ほう、いったいどういう魔法を使ったのだ?」
メロートが割ってはいる。
「王様、女ですよ。彼は美女たちにほっとかれない男前ですからね。」
「なるほどな」
「ところで、王様、私が思うに、イングランドはアイルランドとの和平条約を正式に結ぶべきだと思いますがいかがでしょうか。両国の民の平和のために。マルケ王の御威光の恩恵をアイルランドの民にも享受させるべきかと…。」
「それは私も考えていた。トリスタンに私の名代としていってもらおうと思っていたのだ。」
「そうですね、それはいい。それからもう一つ私に提案があります。」
「なんなのだ?」
「噂に聞くところではアイルランドの王女イゾルデは大変な美女であるとか… 両国の和平を安定したものとなすためにも両国の王家が血縁を結ぶことが必要かと思いますが。」
「そうか、それではトリスタンとその王女を娶わせてはどうだ?」
「はは!それも名案ですが、わたくしは王様自身がまた結婚されてはどうかと思いますが…」
「そんな必要はない、私はもうこの歳だし、もちろん後継ぎはいないが、このトリスタンが後を継いでくれればと思っているのだ」
「しかし…」
「トリスタン、どうなのだ?」
「私は… 私は…」
トリスタンの脳裏に悲嘆と怒りに満ちた燃えるような眼をした女の顔を浮かんでいた。」
(彼女は俺と幸せになれるわけがないじゃないか…)
「陛下がアイルランドの姫君と結婚されたほうが両国の繁栄につながると…考えております…」
「そうだろう?君もそう考えているんだろう?」
メロートは我が意を得たりとますます調子付く。
「では考えてみよう、メロート。トリスタンがそう言うならばな… ところで食事にしよう。それから狩の日程を立ててくれ、二人とも。久々に羽根を伸ばしたいのだ」
「御意!」
声を揃える二人。三人は大笑いした。

1ヵ月後。イングランドはアイルランドとの和平条約調印のため、使節をアイルランドに差し向けた。トリスタンは重ねて辞退し続けたが、どうしてもトリスタンに言って欲しいというマルケ王の願いを断りきれなかった。
トリスタンはもう一つ重要な役目を負っていた。イゾルデを無事に婚礼のためにイングランドに送り届ける役だ。
(どうしたものか… イゾルデ姫は私が亡き許婚の仇だと知ってしまった。私が使節ではへそを曲げる可能性がある…)
和平条約調印の席で口上を述べるトリスタン、しかし心は乱れ、自分の正面に着座しているイゾルデの痛いような視線を意識的に避けていた。彼はかぶとを目深にかぶり、顔がほとんど見えないように覆っていた。
側に控えていたブランゲーネがイゾルデに耳打ちする。
「あのお声は…間違いありません。あの方はタントリス様ですわ。いったいどういうことですの? 音に聞こえる名高い戦士トリスタンには双子の兄弟でもいたんでしょうか?」
イゾルデは無言でますます顔が青ざめていく。
「お黙りブランゲーネ。このことを他の方に漏らしたらただではおきませんよ。」
「姫様… でもお顔が真っ青ですわ。姫様のおめでたい門出の日だというのに…」

(トリスタン… あろうことに私を迎えに来るのがあなただなんて。私は政略結婚でイングランドに売られる身。それはかまわない。国のために犠牲になることはかまわない。でもあのタントリスが、私が傷を癒したタントリスはその償いも謝罪も感謝もせずに、ただわたしを奴隷のように連れて行くの?)
イゾルデも混乱していた。彼女も自分の気持ちがつかめなかった。
(ああ、どうしてあの時剣を振り下ろさなかったのだろう。そしたらこんな辱めを受けなかった。あの時私のタントリスを殺していれば…)
「気分が悪いので失礼させていただきます。」
イゾルデは突然立ち上がると席を立った。
困惑した表情の一同。
震える声で口上を述べ続けるトリスタン。

翌朝。イングランドに出発する日だ。
イゾルデは大きな船に乗るのは初めてだった。丁重に扱われたが、現実はアイルランドの人質だった。
屈辱感をにじませながらも精一杯のプライドで故国の地を後にするイゾルデ。忠実なブランゲーネが従っている。
しかし船が陸を離れた途端、猛烈な船酔いが襲ってきた。そして絶望。ホームシック。涙がとめどなく流れた。
泣いてばかりいるイゾルデにブランゲーネはどうしていいかわからない。
「あなたの言った通りなのよ。」
「え?」
「タントリスはトリスタンなのよ!」
「まさか!?」
「そうなのよ!あの薄情な男はあんなに私に世話になっておきながら、おくびにも出さない。慇懃無礼なあの態度は何? いったい私は何をしたの? モロルトさまの命を奪った男の命を救い、しかもその男の出世のためにイングランドの王と結婚するなんて!!」
さめざめと泣き伏すイゾルデ。
「そんな… 姫様、姫様のお気持ちを考えると何と痛々しいことでしょうか。」
「いいのよ。ブランゲーネ。あの男に謝罪させるのよ!ここに呼んできて。」
「でもあの方は 呼びつけるのですか?」
「あの男に、礼儀を知らないコーンウォールの王の召使風情に、イゾルデが教えてやるのよ。アイルランドの王女へのほんとの礼儀をね」

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The Devil Wears Prada

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The Devil Wears Prada

Cast

Meryl Streep ... Miranda Priestly
Anne Hathaway ... Andy Sachs
Emily Blunt ... Emily
Stanley Tucci ... Nigel
Simon Baker ... Christian Thompson
Adrian Grenier ... Nate
Tracie Thoms ... Lily
Rich Sommer ... Doug
Daniel Sunjata ... James

hello

「プラダを着た悪魔」を見た。

おもしろかったです。

なかなかよくできてましたよ。

アン・ハサウェイが主人公だが

もうメリル・ストリープがすごい!

やっぱアカデミー賞女優は違う…

ネイト君が可愛い。

Adrian Grenier君。ナイジェルのStanley Tucciもすばらしい。
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「プラダを着た悪魔」

hello

「プラダを着た悪魔」を見た。

おもしろかったです。

なかなかよくできてましたよ。

アン・ハサウェイが主人公だが

もうメリル・ストリープがすごい!

やっぱアカデミー賞女優は違う…

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